足の痛みについて
足の痛みは、日常生活に支障をきたすことがある一般的な症状です。原因は多様で、外反母趾・足底筋膜炎・モートン病などの疾患に関連する場合もあります。
足の構造と働き
足は26個の骨と、それらをつなぐ靭帯・筋肉などからなり、体重支持と衝撃吸収、歩行・走行などの動きを担います。
足の痛みの原因
最も多いのは過度の使用や負担によるものです(長時間の立ち仕事・歩行・スポーツ等)。
そのほか、次のような疾患・外傷が関与することがあります。
- 外反母趾:拇趾が外側へ傾き、付け根に負担がかかる状態
- 足底筋膜炎:足底筋膜の炎症により足裏が痛む状態
- モートン病:足指の付け根で神経が刺激・圧迫される状態
- 捻挫・骨折などの外傷
※原因に応じて対処法が異なるため、早期の評価と方針決定が重要です。
症状
痛みの性質・部位は原因によりさまざまです。
- 痛みの性状:鈍痛/鋭い痛み/焼ける感覚/しびれ/腫れ など
- 部位:足指・足裏・かかと・足関節 など
- 経過:急性(外傷・過使用)/慢性(構造的問題や関節炎など)
代表例:
- 外反母趾…拇趾の外反、付け根の痛み・腫れ
- 足底筋膜炎…足底の痛み(朝の一歩目で増悪しやすい)
- モートン病…足趾基部の痛み・しびれ
診断
まず問診と診察で症状の部位・性状・誘因を確認し、必要に応じてX線・超音波・MRIなどの画像検査を行います。結果を総合的に判断して診断します。精査が必要な場合は専門医療機関をご紹介します。
治療
原因・重症度に応じて段階的に選択します。効果や経過には個人差があります。
保存療法(手術以外の治療)
- 生活・姿勢指導:負担動作の調整、靴・インソールの見直し など
- 運動療法:足部・下腿のストレッチや筋力維持(理学療法士の指導のもと実施することがあります)
- 物理療法:温熱・電気・超音波等を症状に応じて併用することがあります
- 装具療法:足部の支持・圧分散を目的とした装具・パッド等を用いる場合があります
- 薬物療法:痛みの緩和を目的に、医師の判断で薬が処方されることがあります
手術療法
保存療法で改善が乏しい場合や変形・神経症状が強い場合に検討します(例:外反母趾手術、足底筋膜に対する手術、神経腫摘出など)。適応と術式は医師が総合的に判断します。
日常生活での注意点
- 無理な運動の回避:痛みが強い時は休息を取り、負担動作を見直す
- 姿勢・動作の最適化:立ち方・歩き方・作業姿勢の調整
- 靴選び:つま先に余裕があり、足幅に合う靴/適切なクッション性
- 温冷の使い分け:急性期は冷却、慢性期は保温を行う場合があります(個別に指示に従ってください)
注意事項
- 本ページは一般的な医療情報です。最適な治療は、診察のうえ個別に医師が判断します。
- 治療効果・経過には個人差があります。痛みが続く/悪化する際は受診をご検討ください。
