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疾患

脊柱管狭窄症

「脊柱管狭窄症」という病気を耳にしたことがある人は多いと思います。
ですが、具体的にどんな症状が出るのか、原因は?となると、ご存知の方は少ないかもしれません。
今回は原因から症状、脊柱管狭窄症の診断方法や治療法について、特に脊柱管狭窄症に対する非手術療法と手術療法の選択について解説していきます。
脊柱管狭窄症の予防策や日常生活での注意点も紹介!脊柱管狭窄症に関する医師への相談タイミングを見極めることが大切です。

脊柱管狭窄症の基礎知識

脊柱管狭窄症の概要

脊柱管狭窄症は、背骨の中の神経の通り道である「脊柱管」が狭くなることで神経が圧迫され、さまざまな症状が出現する病態です。加齢による変化が主な原因であるため中高年に多く見られますが、外傷などによって急激に病態が悪化する方もいます。腰椎や頚椎で発生することが一般的で、症状には四肢のしびれや痛み、筋力低下が含まれます。特に立っている時や歩行中に症状が悪化することが多いです。
早期診断と適切な治療が必要なため、医師への相談が重要な病気です。

脊柱管狭窄症の原因とメカニズム

脊柱管狭窄症は、椎体と椎弓に囲まれた脊柱管が狭くなり、中を通っている脊髄や馬尾神経が圧迫された状態を指します。
この状態は、加齢に伴う骨や関節の変形、椎間板の変性、靭帯の肥厚などが主な原因とされ、変形が強いと背骨全体が不安定になってしまう方もいます。これらの変化により脊柱管の中にある神経が圧迫され、四肢の痛みやしびれ、筋力低下といった症状が出現します。特に腰の部分での狭窄が多く、歩行時に臀部を含めた下肢に痛みやしびれが出る場合が多いです。稀に遺伝的な要因や外傷などが影響を及ぼすことがあります。

脊柱管狭窄症の一般的な症状

初期症状と進行症状の違い

脊柱管狭窄症の初期症状としては、腰痛や下肢のしびれやつり、そして疲れやすさなどが代表的な症状です。脊柱管狭窄症が進行すると痛みやしびれが頻繁に現れ、特に歩行時などにしびれや脱力が悪化し、休息を取ることで和らぐ間欠性跛行は脊柱管狭窄症の代表的症状の1つです。さらに悪化すると感覚異常や筋力低下、排尿排便障害を引き起こし、後遺症として残ってしまうことがあります。そのため初期症状を見逃さず、迅速に医療機関で適切な治療を受けることがとても大切になってきます。

脊柱管狭窄症の診断方法

脊柱管狭窄症の診断は、まず症状がどのように出現したかを詳しく聞くことから始まります。特に歩行時、足に痛みやしびれが出る場合、また腰痛がある場合など、日常生活での困難さを評価します。
症状の原因を推測するために、身体診察を行い、神経学的な異常や筋力低下があるかどうかを確認します。
確定診断には、画像診断が不可欠です。X線撮影では骨の変化や不安定性が観察でき、MRIやCTスキャンでは脊柱管の内部構造を詳細に把握することができ、これによって神経の圧迫部位や程度を確認できます。当院の場合には、X線撮影はその日に行い、必要に応じてMRIやCTを近隣の画像診断専門施設で撮影するかたちになります。症状の位置と画像所見が合わない場合には、必要に応じて神経根ブロックなどの診断的治療も追加で行うことがあります。これらの所見・検査結果を総合的に判断し、最も適した治療方針を決定します。
早期に診断を行い、適切な対処をすることで、症状の改善や生活の質の向上につながる可能性があります。

脊柱管狭窄症の治療と対策

非手術療法とその効果

脊柱管狭窄症の症状を和らげるためには、まずは手術以外の治療法から開始します。これらの治療には理学療法、薬物療法、装具療法、ブロック注射療法、生活習慣の改善が含まれます。
理学療法では、専門職によるストレッチやマッサージを行ったり、体幹の筋力を向上させることで脊椎への負荷を軽減し、症状の改善を目指します。当院では、理学療法にピラティスを取り入れることで、体幹の安定化や可動域向上を目指します。
薬物療法では、消炎鎮痛剤や血管拡張薬、ビタミンB12製剤などで症状を和らげます。生活習慣の改善としては、姿勢の矯正や適度な運動、そして体重管理が重要とされています。
これらの非手術療法は、症状を緩和させて生活の質を向上させることができる可能性はありますが、脊柱管狭窄そのものを改善させている訳ではありません。

手術療法の選択と内容

脊柱管狭窄症の治療において、上記の非手術療法が効果を示さない場合や、症状が重篤である場合には手術療法が検討されます。手術療法は脊柱管狭窄を改善する効果が期待できる方法の一つですが、すべての方に有効とは限りません。主な原理としては、圧迫されている神経を解放して神経の環境を元通りの良い状態に戻してあげることで、足の痛みやしびれといった症状を改善することが可能となります。狭窄の原因となっている変形した骨や肥厚した靱帯を切除して神経を開放する除圧術(椎弓切除術、椎弓切除術)が基本的な手術ですが、脊椎の不安定性がある場合や椎間板変性を合併している場合にはインプラントによる固定術が必要になるケースもあります。固定の方法にもいくつか種類があり、それぞれ患者様の症状や状態に応じて選択されます。当院では、手術が必要な場合には、調布くびと腰の整形外科クリニック(https://sekitsui.clinic/surgery/)の医師と連携し診療しております。
手術によって生活の質の向上が期待できる場合もありますが、リスクも伴いますので、医師とよく相談して慎重に検討することが重要です。その一方で、非手術療法を漫然と継続することで神経が圧迫されている期間が長期化したり、麻痺などの重篤な症状を放置してしまうと、治療をしても神経の後遺症が残ってしまうリスクが高くなります。当院では、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医が、手術のリスクとメリットを丁寧に説明し、患者様にとって最適な治療法を検討いたします

治療後の生活とリハビリ

脊柱管狭窄症の治療後には、症状の変化を防ぐために日々の生活習慣を見直し、リハビリをしっかり行うことが欠かせません。治療の効果を持続させるためには、医師や理学療法士の指導のもとで、適切な運動を継続することが重要です。特に、ウォーキングや軽いストレッチは血行を促進し、筋肉をほぐすことで筋力を維持するのに役立ちます。ただし、無理をしない範囲で行うことが大切です。さらに、正しい姿勢を意識し、腰や背中に負担をかけないように心がけることも必要です。日常生活では、重い物を持ち上げる際には膝を曲げて足を使い、腰を使わない方法を実践しましょう。また、体重管理も脊柱への負担を軽減するために重要です。バランスの取れた食事と適度な運動で健康的な体重を維持しましょう。再び痛みが生じた場合は、早めに医師に相談し、適切な治療や薬の使用を検討することが大切です。治療後の生活を快適にするためには、これらの習慣を日常に取り入れることが不可欠です。

医師に相談するタイミング

腰痛の原因は様々です。ぎっくり腰だけでなく、脊柱管狭窄症や内科疾患が原因となることもあります。腰痛や下肢の痛みやしびれがある場合には、医療機関への受診をおすすめします。また、足の痛みやしびれが原因で歩行や立ち上がる際に困難を感じる場合、またはわずかな歩行で休息が必要になる場合などにおいては、疾患が進行している可能性もありますので、お早めの受診をおすすめします。
既に治療を受けているにも関わらず、症状が悪化したり効果が感じられない場合は、再度の評価が必要です。早期の相談は、症状の進行を防ぎ、適切な治療や対策を立てるために重要です。相談は治療のためだけでなく、日常生活の質を向上させるためのアドバイスを受ける機会でもあります。疑問や不安がある場合は、お早めにご相談ください。

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